【注意点あり】イスタンブール空港から旧市街へ高速バスとトラムで移動する方法

ヨーロッパとアジア、2つの大陸にまたがるイスタンブールは、歴史と文化が交差する魅力あふれる都市です。
かつてのビザンティン帝国やオスマン帝国の都として栄え、今もその名残を感じられるブルーモスクやアヤソフィア、トプカプ宮殿など見どころが盛りだくさん。グランドバザールやスパイスバザールでは異国情緒たっぷりの買い物も楽しめます。

ボスポラス海峡クルーズでヨーロッパ側とアジア側の街並みを眺めれば、まるでタイムスリップしたかのよう。
美しいモスクの夜景やトルコ料理も旅の楽しみのひとつ。
イスタンブールは歴史好きにもグルメ好きにもおすすめの、何度でも訪れたくなる都市です。

イスタンブールには空港がいくつある？

イスタンブールには現在、2つの空港があります。

①イスタンブール空港（IST）
　国際線の主要な玄関口。多くの海外便が発着します。

②サビハ・ギョクチェン国際空港（SAW）
　主に格安航空会社（LCC）や国内線が多く利用する空港です。

目的地や航空会社によって使い分けると便利です。
今回は①イスタンブール空港から旧市街へのアクセス方法をご紹介します。

わたしは、スルタンアフメット地区とスィルケジ地区の中間辺りにホテルをとりましたので、この記事では、イスタンブール空港からこのエリア（Gulhane駅）までのアクセス方法をまとめました。

イスタンブール空港➔アクサライ：高速バスを利用

イスタンブール空港（IST）から旧市街へ行くには、アクサライ行きの高速バス「Havaist（ハヴァイスト）」で向かいます。その後、トラムに乗り換えて、旧市街（Gulhane駅）へ向かいます。
Havaistはイスタンブール市内各地へ向かう複数の路線を運行しており、観光客にも地元の人にも広く利用されています。

Havaistの主な特徴は以下のとおりです。
・快適な大型バス（座席指定なし、荷物預けOK）
・クレジットカード・イスタンブールカード（交通ICカード）利用可
・車内Wi-Fi・USB充電あり（バスによる）

実際に利用した体感としては、日本の高速バスと似ていると感じました。
清潔感があって、静かで、スリの危険などは感じませんでした。

バス乗り場とチケットの買い方

①到着・入国審査を終える
飛行機を降りたら、パスポートコントロール（入国審査）へ進みます。
入国後、荷物を受け取り、そのまま進んで、税関を通過して到着ロビーに出ます。

②到着ロビーからHavaist乗り場へ向かう
到着ロビーを出たら、「Exit / Airport Shuttle / Public Transport」と書かれた案内板を探します。
案内板に沿って外へ出て、地下に下るとHavaistのバス乗り場があります。

※ここで注意！
あとから書きますが、ここでイスタンブールカードを購入しておくことをおすすめします！
バス乗り場と同じフロアに、この黄色い機械が設置されています。

イスタンブールカードとは、このあとトラムに乗るのに使用するカードです。
その他にも有料トイレの料金を支払う際にも使えるので、とりあえず持っておいたほうが良いカードになります。

市内でも買えるのですが、壊れていたり、お釣りが切れており現金が使えなかったりする確率が結構高いです。
観光客や現地の人で込み合っているのでスリの危険も高いため、人も少なく落ち着いている空港で購入するのがおすすめです。
言語選択には日本語もありますので、英語が得意でなくても安心して購入することができます。

今回わたしは、市内の機械で操作していたところに現地の人が割って入ってきて、「やってあげる」と言われるまま、クレジットカードを渡してしまいました。「機械の調子が…」なんて言われているうちに、気がつくとクレジットカードの引き落とし通知がきて、余計に利用されていたことを知るのです…。

皆様はこんな事にならないよう、空港で落ち着いてイスタンブールカードを購入しておくことをおすすめします！

③Havaist乗り場の場所と見分け方
乗り場には「Havaist」のロゴが書かれた青や白の大型バスが並んでいます。
各路線ごとに、乗り場付近の壁に「Taksim」「Kadiköy」など行き先が大きく表示されているので、あまり迷うことはないと思います。

乗り場にはスタッフもいるので、わからなければ聞いてみると安心です。

④チケットの買い方
事前にサイトから購入（Havaist）することも可能ですが、飛行機の遅延などで無駄になってしまうのが怖かったので、わたしは当日、乗り場近くにいたスタッフの方から購入しました。
列に並んでいるとスタッフの方が来てくれ、その場でクレジットカードで購入できます（わたしはマスターカードで問題なく決済できました）。
アクサライまで275TL（≒1015円、1TL＝3.69円）でした。

今回わたしは4月末、夕方の17時頃乗り場に到着。
乗客が多く、すでに到着していたバスは満席になってしまいましたが、30分後に到着した次のバスに乗ることができました。
急いでいる方は事前購入の方が良いかもしれません。

無事にチケットを購入し、荷物を預けて乗車します。
荷物にはしっかりタグを付けてくれるので安心でした。

⑤所要時間の目安
バスは基本的に20〜30分間隔で出ています。時刻表や混雑状況はHavaist公式サイトやアプリで確認できます。
25年6月現在の、イスタンブール空港からアクサライ行きの出発時刻はこんな感じです。

距離にして約53km、90分の道のりです。
いくつか停車駅もあります。間違えて途中で降りないように気をつけましょう。

アクサライについたあとは、バスを降りて荷物を受け取ります。こんな感じの広場に到着。
すぐ近くに地下鉄の乗り場がありますが、今回はこちらは利用せず、トラムで旧市街へ向かいます。

アクサライからイスタンブール空港に向かう場合は？

ちなみに、アクサライからイスタンブール空港に向かう場合は、降りたところと同じ広場からバスに乗ることができます。
このように時刻表が書かれた看板がありますので、この近くにいれば乗り損ねることはないと思います。

Googleマップで調べると、地図上はこちらにピンが立っていますが、実際の乗降場所はこの広場の道路沿いになります。間違えないように気をつけてください。

チケットの買い方は行きと同様、バス乗り場近くにいるスタッフから購入します。
現金、クレジットカード、イスタンブールカードのいずれでも決済できます。
イスタンブールカードを使い切って、足りない分は現金で支払うこともできました。

行きのバスのように、乗客が一杯で乗り損ねては困ると思い、30分以上前に到着しましたが、実際に乗客が並び始めたのは出発の5〜10分くらい前でした。そこから各自が料金の支払いを始めるので、もちろん時間通りに出発とはいきません。
14時頃アクサライ出発のバスでしたが、並んでいた人はみんな乗車し、数分遅れで出発しました。

アクサライ➔旧市街：トラムを利用

Havaistの降車場所から徒歩10分ほどのところに、トラムのAksaray駅があります。
ここからトラムに乗り、旧市街のGulhane駅まで向かいます。

トラムに乗るためにはイスタンブールカードが必要です。
Aksaray駅の乗り場近くに、4台ほどイスタンブールカードを購入できる機械が並んでいますが、わたしはここで勉強代を支払うことになりましたので、皆さんはくれぐれもご注意ください！

機械の前は人だかりができており、お釣りが出ない、ここは機械が故障しているなどなど、なかなかカオスな状況でした。
わたしはひとまず200TLほどチャージしようと、機械で操作していたところに現地の人が割って入ってきました。
「やってあげる」と言われるまま、クレジットカードを渡したのが運の尽き。
「機械の調子が悪いな…」などと言いながら、複数の機械で何回も決済にチャレンジしてくれました。
最終的には200TLがチャージされたイスタンブールカードとともにクレジットカードを返してくれたのですが、しばらくするとクレジットカードの引き落とし通知がきて、約5,000円分も余計に利用されていたことを知りました…。

本当に親切で、購入しようとして間違えてしまったのかもしれないですし、クレジットカードを簡単に渡してしまったわたしも悪い。勉強代ということで、さっそくトルコの洗礼を受けるのでした。

トラムの乗り方

なにはともあれ、イスタンブールカードを入手したらトラムに乗車します。
トラムの乗り場は改札ゲートがあり、イスタンブールカードをかざして入場します。

一回の移動にかかる料金は一律のようで、改札ゲートを通る以外でイスタンブールカードは使いませんでした。
あとはやって来たトラムに乗って、Gulhane駅で下車するだけです。

トラムから降りたら、改札ゲートを通って外に出ますが、その際はイスタンブールカードは必要ありませんでした。

その他：バスで旧市街に向かうのはどう？

Aksaray駅から旧市街へ向かうルートとして、路線バスも候補に上がると思います。
ですがバスはおすすめしません。

その理由は、バスはトラムと比べて運行頻度が低く、時間通りに来ないことと、また、路線によっては平日朝の山手線かと思うほど混雑しているためです（混雑具合や遅延の程度は路線と時間帯によるとは思いますが）。
混雑している時間帯に鉢合わせてしまった場合、とてもじゃありませんがキャリーケースを引いた観光客が乗ることは不可能です。

バスよりも運行頻度が高く、比較的空いているトラムを利用することをおすすめします。